小出楢重


小出楢重
さんの作品を紹介します。

この作品は小出さんにとってのデビュー作品になったようです。

無邪気な一人息子、なぜか不機嫌そうな妻、煙草をくわえ冷ややかにこちらを見つめる極端に面長の男。

重厚な質感、抑えた色調の原色が印象にのこる作品です。

しかしどこか幸福感のない、ちぐはぐな印象があります。

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『Nの家族』には、実は多くのメッセージが込められているそうです。

テーブルの上にはホルバインの画集。

ホルバインとは世俗的で冷徹な肖像を描いた、16世紀のドイツを代表する画家です。

これは一説によると、主観的な情緒の画家デューラーに傾倒していた岸田劉生への対抗だといいます。

東京で売出し中の若手人気画家への挑戦状としての作品だったそうです。

 

この作品は、面白いなと思ったのは、この色味の表現がなんとも私の中でグッとくるポイントがありました。

 

 

 

 

菊池契月

菊池契月さんの作品を紹介します。

菊地さんの作品は、こういった作品が描かれていることが多いです。

薄い淡白な表現ですが、情報量はあって美しい表現になっていると思います。

この作品もほとんど線での表現が多いと思いますが、それだけでも色をつけなくともその物の遠近感であったり、遠近感は時には存在感という形になったりしますが、その存在感を溢れだせていたりしますね。

 

この作品ではどんなことをイメージして描いたのでしょうか?

銅像などから考えたのでしょうか?

すごく美しい仕上がりになっていると思います。

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この作品の中に描かれている女性はどういった方なのでしょうか?

着物の描き方って難しい印象が私にはあります。

しかも描く際に、自分が着方を知っていなければ表現するにもできないと思います。

 

シワであったり、その影がしっかりとしているので不自然ない作品に描かれているんだと思います。

 

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中村彝

中村彝さんの作品を紹介します。
中村さんの作品は、全体的に肖像画などのいろんな人の顔の作品を描いている印象があるのでこういった静物画も興味深い作品だなと思いました。

この作品の中に描かれている物は、一輪の花ですが、その花が持つ存在感や生命力に強さを感じます。

 

一輪の花だけれどここまで美しく咲くというのにはつよい生命力を感じますね。

この作品の中に描かれているのはそれだけではなく、この作品のポイントの1つとして背景は捨てられないところだなと思います。

このシワのあるような作品はなんだか面白さがある作品になっていると思います。

 

 

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また、この壺の表現もとてもいいなと思います。

花とは違う質感、キラッとした金属製の壺の表現がしっかりとできているので、そういった差をつけるのはいいなと思いました。

東郷青児

東郷青児さんの作品を紹介します。

東郷青児さんの作品は過去もたくさん紹介してきているのですが、やはり女性の絵を描くことが多く、またその女性の目の表現が深い味を残しているなという印象です。
この目は、何かを隠しているのか、思いがこもっているのかそこらへんでは一瞬では判断ができないのですが意味のある描き方になっていると思います。

 

この作品の題名は夕日というみたいなんですが、これをみてみなさんはどう思いましたか?

 

感情が出ているように見えます。

 

背景に描かれている建物は何を表しているのでしょうか?

 

 

夕日という印象はあまりないのですが、なぜその言葉を作品の最後の命でもあるタイトルにしたのかが少しだけ疑問に思います。

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この作品の女性も何かを見ている、思っているすこしだけ切ない感じがします。

上の作品より、表情が全体的に下がっているので涙を流す前のようなそんな雰囲気をただよわせていますね。

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東郷さんの作品は、油絵の表現というか版画っぽいそんなイメージを持ちます。

版画といってもシルクスクリーンなどの感じがします。

全体的に表現も素敵な作品だとおもいます。

 

 

西村龍介

西村龍介さんの作品を紹介します。

西村さんの作品は、先ほど紹介した、高田さんと同じように細かい作業を特徴としている作家さんだと思います。

この作品の題名は城という作品だそうです。

絵の具を重ねてえがくという表現ではなく、画面に載せていくという表現があっているのかなとおもいます。

この、画面を見ていただくとすごく分かりやすく描かれているのですが、この絵の具の硬さ?筆から画面に絵の具が載せられている感じの表現がすごく美しいです。

まだらな表現になっているのではなく、すべての場所を切り取っても同じ表現をしていることに驚きました。

 

 

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こういった作品の作り方をしているということはこのスタイルが西村流ということになりますね。

やっぱり画家さん1人1人にはものすごく大事なことだと思います。

そういったところが個性ということになると思います。

高田誠

高田誠さんの作品を紹介します。

高田さんの作品は、すごく細かい表現が特徴です。
細かい表現というのはバーっと絵の具を乗せて描くのではなく、点描画のように細かい線や、点を重ねてその絵を描いていくという描き方をしていてその表現はとてもその人らしさを出しているなとおもいました。
なんだか面白いなと思いませんか?

 

でもそんな表現があるんだな〜と思うとこれを見て面白さを感じると思います。

点描画の遠近感の出し方ってどうやるんでしょうか?

近ければ近いほど細かく、綺麗に描くんですかね。

奥に行けば行くほど点の大きさが変わってくるのかなとおもいます。

 

 

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また、いろんな種類の色を使っていることで綺麗な色味の変化を見ることができるのでそういう面で楽しめることもできると思います。

絵の味方って人それぞれだと思いますが綺麗な表現だけを注目するのではなく、こんな表現もあるんだな〜と絵の中でサブになっているようなところを見るのも楽しめるコツの1つになるかなとおもいます。

 

小磯良平

小磯良平さんの作品を紹介します。

小磯さんの作品の特徴は、表現の仕方はとてもリアルな感じがするのが特徴です。

人の肌であったり、髪の毛や、その人が着ている服それらの表現もうまく描かれています。

この作品は、途中のように見えて、小磯さんの描きたい目的を果たしたからこういった表現になっているんだと思います。

人の顔を描くというのはものすごく大変なことだと思いますが、この表情、を逃したくなかったといわんばかりの筆の伸びやかさがあると感じました。

 

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いつもは、全体を描く作品を紹介しているのですが、この作品は違いますね。

こういった作品も作家さんに近づけたような、一見完成に見えない作品をみるとそういう感じからこの人は描き始めるんだとかそういうのが観れると面白いなとおもいます。

モーリス・ユトリロ

モーリス・ユトリロさんの作品を紹介します。

 

ユトリロはひたすらモンマルトルの街を描き続けたそうです。

17歳にしてアルコール依存症で入院したユトリロは対症療法として絵を描くことを薦められ風景画を描き始めたそうです。

そういうところから考えるとお年寄りの方で絵が趣味です。という方も落ち着くから描き続けていたりするのでしょうか?そう思うとなんだか面白いですね。

絵って人の心理をだすものでもあり、操るというと語弊が生まれてしまうかもしれないかもしれませんが、ものすごく人間に近い存在なんだなと感じました。

 

25歳になった頃から、アルコール依存症が一段とひどくなり、精神病院への入退院を繰り返し、何度も警察の厄介になり、遂には刑務所にまで入れられるほどになったそうです。

 

どうしてそこまでアルコール依存になってしまったのかはわかりません。
いわゆるユトリロ作品の「白の時代」。

この頃の作品の壁などの色に用いられた独特の白色、この色は生み出す為に絵の具に砂や漆喰を混ぜ合わせ、肌触りにまで拘って作られたそうです。

 

 

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この作品の白い壁にもその自作の絵の具が使われているのでしょうか?

やっぱり描き続けているとそういった自分だけの色というものを持ちたいしかも、自分での色で表現したい作品が出てくるんでしょうかね。

やっぱり作家さんは面白いな。

織田広喜

織田広喜さんの作品を紹介します。

織田さんの作品お特徴は、主に女性の肖像画を描くことが多く、写実的に描くのではなくその人のパーツパーツの特徴をしっかりと捉えながらも、そこをきちんと表現するところが、織田さんの特徴になると思います。

この作品の題名は少女という題名です。

大人の女性とは違って、少しだけあどけなさを残しているような感じがします。

 

また、筆の載り方が作品1枚1枚によって変わっていくのでそこの変化を見ていくのもいいと思います。

 

筆の載り方と言いましたが、筆の動かし方、そういった線の流れというのも見やすく残っているので見てみるといいと思いました。

 

 

 

この作品の中で見て欲しいところはもう一つあります。

この背景を決めるにあたってたくさん考えてきたような感じが見てわかると思います。

たくさんの色を重ねてできた色合いが一番しっくりきていて、構図や画面をマッチングするのにこういった色使いをし、この色を背景に使ったのがいいなとおもいました。

 

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