菱田春草

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こんにちは。花田美術の花田淳です。

美術というのは生まれ持ったものや才能が有無を言わせる世界であるとほとんどの方が思っているかもしれません。しかし今回は本人の努力や恵まれた周りの環境がうまくかみ合って名声を広げた画家、菱田春草を紹介します。

菱田春草24.5×34.4秋風

「秋風」

春草は1874年に長野県で生まれました。兄2人は数学や工学の学者であり、本人も若い頃は英語の勉強に励んでいたなど、美術には無縁で、勉強に熱心な家庭で育ちました。しかし絵が上手かったことや洋画家であった小学校の頃の先生の影響もあり、開校したばかりの現在の東京芸大である東京美術学校に入学しました。

春草の美大1年生の頃の成績は決して上の方ではなかったそうです。しかし指導者である岡倉天心に写生の力を見抜かれ、その力を作画に活かすクラスへの移動を勧められたりと、適材適所で成長できる環境がそこにはありました。その甲斐あって卒業時には首席で卒業します。春草の才能が開花したのは自身の努力と美大の指導があってこそのものであると言えます。

菱田春草_夏之山_41×62_01

「夏之山」

その後は、美大時代の同期である横山大観と共に西洋画の画法を日本画に取り入れる表現方法を新たに開拓することになります。その画法はまず海外で評価され、そうして次第に国内でも評価されることになりました。

春草は37歳の若さで生涯を終えてしまいます。しかし短い生涯の中で生み出した作品は多くの人の心を動かし、日本画に変化を与え、またこれからの可能性を続く世代に残しました。そんな日本画のターニングポイントに立った菱田春草の生涯と業績を紹介させていただきました。ありがとうございました。

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